フリフラ雑記帳

フリップフラッパーズの考察、その他をダラダラかくブログです。不定期更新。

商品レビュー~劇場版まどマギBD完全生産限定盤~

「目に焼きつけておきなさい、限定版になるってそういうことよ」

暁美ほむら

 

ご無沙汰しております、こけしです。

この連休中に 散財 奮発してまどマギのBDを購入してしまったのですが、言葉を失い半日ほどニヤニヤするほど良い買い物だったので記事にしてみました。

 

 

 円盤の商品展開

 『魔法少女まどか☆マギカ』とは2011年に放送されていたテレビアニメである。長いタイトルであるため、しばしば略称である「まどマギ」と呼ばれている。本ブログ内でも特に断りがない限りこの略称を使わせていただく。

 このまどマギだが、テレビシリーズを前編と後編に分割し、リチューンした劇場版が2012年に公開された。そしてこれは翌2013年に公開された完全新作劇場版の前振りでもあった。よって、最終的に公開された映画は三本である。

 

 映像商品としてはテレビアニメ版のDVDとBDが、それぞれ特装版と通常版が発売され、また御多分に漏れず全編をディスク3枚に分割した北米版のBD・DVDボックスが存在する*1

 また、劇場版に関しても、BDとDVDの両方において特装版と通常版が存在するようである*2

 

 筆者が購入したのは劇場版と新作劇場版の特装版BDである。

 

 

 

商品の外観

 特装版というだけあって、装丁は非常に豪華である。

 まず外箱であるが、これは表面に一か所、裏面に二か所穴が開いていて、デジパックを中に収納すると(デジパックに描かれたヒロインの)顔が現れるようになっている。

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箱表面。アルティメットまどか魔法少女たちが抱かれるという、うっかり泣いてしまいそうなデザインになっている。

 

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同裏面。

 

 中のデジパックの絵も秀逸で、これはテレビアニメ12話終盤相当、劇場版で言えば永遠の物語の終わりのほうの、改変後世界の夜にたたずむほむらである。表面加工は箱がマットな感じであるのに対し、写真のような光沢があって美しい。画像では筆者の技量不足で表現できないのがなんとも悔やまれる。

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デジパック表面。この表情がまた何とも言えず良い。

 

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同裏面。


 ディスク本体もまた凝っている。劇場版新規書き下ろし曲のサウンドトラック表面の模様はほむらの盾の模様になっている。

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こちら側二枚が本編BDで、手前から始まりの物語、永遠の物語の順である。一番奥、三枚目のディスクが劇場版オリジナルサウンドトラック。

 特典で小冊子がついてくるのだが、これがまた魅力的である。

 内容としては、

  1. ストーリー紹介
  2. メインスタッフ座談会
  3. アートボード
  4. 絵コンテ集
  5. 原画集
  6. イラストレーション
  7. オリジナルサウンドトラック トラックリスト
  8. 虚淵玄 メッセージ
  9. 蒼樹うめ スペシャル描き下ろし4コマ劇場[劇場版]
  10. クレジット

 を収録している。

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ブックレット。ブックカバーに穴が開いており、外箱と同じようにカバー裏のキャラクターの顔がのぞけるようになっている。窓の部分は単純に穴が開いているのみで、フィルムなどが貼ってあるわけではない。これは外箱も同様である。

 

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カバーを外したところ。


 叛逆の収録内容もよく似ており、ディスク三枚組+ブックレットであるが、こちらは本編BD+特典映像BD+オリジナルサウンドトラックという構成である。外箱も、始まり/永遠の方はかたい紙製なのに対し、叛逆はワックスドコットンのような表面加工である。

 叛逆に関しては、Amazonのほうに詳細できれいな写真が掲載されているので、こちらを参照されたい。

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/A12mZxKIPRL._SL1500_.jpg

 

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61hDzgsLYNL._SL1000_.jpg

 ↑外箱後方に屏風のように伸びているのがデジパックで、左側がパック外側、右側が内側のディスク収納面である。こちらの外箱にも大きな窓が開いており、デジパックを収納するとアルティメットまどかに導かれるほむらが額縁に収まる。デジパックを出した状態だと、窓からは内側に描かれたイヌカレーパッチがのぞく。

 

特装BDを買うことのメリットとデメリット

 個人的に感じた、特装BDを購入することのメリットとデメリットをまとめると、次のようになった。

 

メリット

  • ディスクチェンジが二回で済む
  • 劇場の画面の大きさでの視聴に耐えうるように作画が修正されている
  • 箱やブックレットといった特典が付いてくる
  • 日本語字幕付き
  • 構成や劇伴が一部オリジナルと異なっており、テレビアニメ既視聴者であっても新鮮に楽しめる工夫がなされている
  • 5.1chサラウンド対応

 

デメリット

  • 劇場版に再編集する関係上尺をいじっており、一部のセリフやシーンはカットされている
  • 構成や劇伴がオリジナルと一部異なる
  • (できるだけ違和感をなくすよう努力はなされているものの)元がやはりテレビシリーズであるため、元の一話に相当する範囲で起承転結が存在し、全体として冗長になり、実際の時間よりも長く退屈に感じてしまう
  • 豪華な装丁ではあるものの、タフユースに耐えるかというと多分違う

 

 

 

メリット

 順を追ってみていく。まずディスクチェンジの回数であるが、これは他の円盤商品と比べてのメリットである。アニメを見る人間なら覚えがあると思うが、ふつうDVDやBDというのは、テレビシリーズの場合、2話もしくは3話ごとに収録する。全12話構成の場合2話×6巻構成が一般的である。

 つまりシリーズを通しで見ようと思った場合、5回もディスクチェンジをしなければならないということであり、ご想像の通りこれは実に面倒くさい。これが劇場版のBDだった場合、テレビシリーズ相当の部分は一回で済み、叛逆を含めてもわずか二回のディスクチェンジで映像化作品をすべて網羅できる。北米版ディスクであればテレビシリーズの内容で、かつディスクチェンジは二回(叛逆を含めれば三回)で済むが、これはリージョンコードが違うためリージョンフリーのプレイヤーを使う必要がある*3

 比較対象を円盤商品に限定したのは、dアニメストアなどのネット配信であればそもそも一度もディスク交換など行わずに全編自動再生できるからである。

 

 次に作画についてである。テレビシリーズを劇場版に再編集するにあたって、いくつかのカットは作画が変更されたり、修正されたりしている*4。これまでの商品でも、テレビ放送版、テレビシリーズDVD版、BD版でそれぞれ細かい作画が違うらしいのだが*5、こと劇場版に関して言えばスクリーンに引き伸ばした状態でも見られるようになっている。テレビシリーズの内容を引き継ぐものとしては最終製品であるため、ここは大きいと思われる。

 

 特典に関しては言うまでもないのでとばすとして、字幕である。恐るべきことに、この商品は1.日本語 2.英語 3.繁体中文 4.韓国語 5.フランス語 6.スペイン語の六か国語対応の字幕付きである。特にデフォルトで日本語字幕がついているのはセリフ起こしの際に重宝しそうだ。

 

デメリット

 次に、デメリットについてである。先に述べた通り、始まり/永遠はテレビシリーズの再編集版で、内容としては始まりの物語が第1話~第8話相当、永遠の物語が第9話から第12話相当*6であるが、前編に関して言えば、これはテレビアニメを30分、劇場版を120分とすると実に2倍の圧縮率である。

 また、大筋のストーリーとしてはテレビシリーズと同じではあるものの、話の前後や劇伴の変更が見られ、全体としてまったく新しい作品に仕上がっている。これはテレビシリーズ既視聴者にとってメリットであるともデメリットであるともいえる。

 メリットとして見るのなら、先に上げた作画の問題があるのだが、演出に関して言えばこれはどれがいいとかいうことはなく、完全に個人の好みになってくるのでデメリットにもなりうる。

 特にテレビシリーズにおいてはオープニングやエンディングが効果的に用いられていただけに、これが欠けてしまうと少々物足りなさを感じてしまう。

 もちろん、映画として再構成するにあたってこの辺りには細心の注意が払われているのだが、やはり映画として一から作られたものと比較すると違和感を覚えてしまうのもまた事実なのである。

 

 最大のメリットである装丁に関しても諸刃の剣で、美しい装丁はタフユースには耐えそうにない。

 デジパック自体紙なので、プラスチック製のいわゆるBDケース(TSUTAYAのレンタルコーナーにおいてあるような)との耐久性は比較するまでもない。特に始まり/永遠のパッケージにおいて、デジパック表面は写真紙のように非常に美しい仕上げになっているのだが、これが箱の取り出し口付近に、外側から巻き込むようにして存在する表紙の”のりしろ”部分(入り口がこの部分だけ数ミリ狭くなる)に干渉して細かい傷がついてしまうのが気になる。頻繁にディスクを取り出して映像を楽しみたい人は別途ディスクケースを用意するか、あるいは最初から通常版を買ったほうが良い。

 ただし、夜な夜な箱からデジパックを取り出して「ほむぅ・・・」とかいいながら撫でまわしたりする場合にはこれは効果がない。

 

それはそれとして

 総合的に見て非常に良い買い物であったと思うし、これなら倍額出しても買うだろう。買って損をするような商品ではない。そもそもこれはコレクターズアイテムであるため、ディスクを頻繁に取り出して視聴するような使い方のほうが間違っているのである。

 まぁ、僕はブックレットは資料として重宝するし、映画は映画でしつこく見るのだろうが・・・

 

 とりあえず通常版と限定版両方買っておけば間違いないのではないだろうか。

*1:国内版はディスク6枚。

*2:なお、ここまでの商品に関する情報はすべて2018年7月17日現在Amazonにて確認できる情報。

*3:商品情報によると北米版まどマギはリージョン2であるため、PS4でも再生が可能だと思われるが、実際に試したわけではないので情報としては不確かである。

*4:劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語/[後編] 永遠の物語 Material  Book(限定版付録)

*5:円環ピクトリアル No.7【特集】TVシリーズ放送版とパッケージ版の比較(2017年8月、C92にて入手)

*6:劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語/[後編] 永遠の物語 Material  Book(限定版付録)